人生の岐路に立たされている。究極の選択を迫られている。このまま一生「浮き輪」とともに生きていくか。30年来の友を捨てるか。
歳を重ねていくことは楽しい。経験値も上がるし、新しい出会いもあるし、知識も増える。と同時に、悲しい。とても悲しい。何が悲しいって、代謝が落ちること。サッカー仲間の友人は言った。「今の生活のまま、フィジカルだけ大学生に戻りたい」。そりゃそうだ。究極の理想だ。仕事も家族もこのままで、全身がバネのような身体に戻してほしい。
46歳の誕生日が過ぎたあたりから、お腹周りの肉がうっすらつまめるようになってきた。気にしつつも、冬だから、毎年のことだから、きっと今年も気温の上昇とともになくなっていくだろうからと、特に大きく生活は変えないでいき、自然消滅するのを待った。
私の普段の生活は割とまともである。基本的に飲み会以外の外食はせず、バランスの良い食生活、ランニング、サッカー、十分な睡眠。移動は公共機関か自転車。なるべく階段。そう、割と健康への意識が高い系女子なのである。例年と違うところがあるとしたら、在宅になって移動が少ないことであるが、その分ランニングや軽いストレッチや筋トレをしているので、さほど大きく生活習慣が変わったとは思えない。しかも、4月から飲み会がないので、外食はほぼ無し。なのに、春が来ても夏が来ても私の浮き輪はなくなるどころか私に寄生し始めている。何をしても取れないのだ。
私は好んで、割と体のラインが出る服を着てきた。体形を維持するために。意識的に。独り暮らしをしている長女が帰ってきて、何やら買いたいものがあるからと珍しく一緒にショッピングに行くことになった。いつもの服を着てもしっくりこない。娘二人がかりで服選びをしてくれるのだが、決定的に何かがおかしい。そして二人が口を揃えて言った。まさに「禁句」を。「ママ太ったね。というか、お腹出ている」…。そう、お腹だけ。わかっている。毎日触っている。
こういわれるのが嫌で、数日前の8月初めからYou tube先生と6分間腹筋トレーニングも始めた。継続中だ。だが、私は岐路に立たされている。2週間して結果が出なかったら、30年来の友との別れを選ぶか、私に寄生する浮き輪と共存するか。その選択を。
私は知っている。友との別れを選べば、真夏にランニングや筋トレなんかしなくても簡単に浮き輪とおさらばできることを。やったことがないので断定はできないが、おそらく覿面に効果が出るであろう。そう、30年来の大親友である「黄金の泡」との別れを選べば。
20年程度しか生きていない娘たちはいとも簡単に言う。さっさと禁酒しなよと。大親友との別れを薦める薄情な子供たちはさらに追い打ちをかけてくる。「太ったママなんて嫌だ」と。
まだある。You tube先生が私の運命を決める日まで。10日ある。
まだ粘れ 負けるな私 走るのだ
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[…] 8月の猛暑から始まったYou Tube先生との生活。(詳しくは「浮き輪と私」を読んで) […]
[…] 「浮き輪と私」や「卒業」でも書いたが、一番効果がある方法は知っている。分かっているけれども30年来の親友「黄金の泡」とのお別れはしたくないので、今のところ「別れ」は選択肢には入れていない。 […]