日本の学校はやたらと「全校集会」が多い。体育館やら、校庭やら、やたら立たされる。割と高い頻度で立ち眩みを起こしていた。座っていて急に立ち上がると、立った瞬間真っ白になってグルグルと気持ち悪い。これは未だにそうだ。血圧が低いせいもあるのだろう。上は90もいかないこともしばしば。なので、献血をしようと思ってもできないことは多々あったし、そんなに「血が濃い」方ではない程度には思っていた。
貧血気味だとハッキリわかったのが、妊娠してからだ。「わかった」というか「意識」したのが。どうやらそれまで健康診断で引っ掛かりはしなかったが、ヘモグロビン値が常にギリギリだったらしい(というか、きちんと見ていない)。そして妊娠して胎児に栄養が行くので、値が低くなった。
病院で「鉄剤」というものをもらい、大好きなコーヒーや緑茶も制限された。(というか、むしろ飲むな)コーヒーはDecafeというものがあるし、緑茶ではなくてほうじ茶や番茶で十分だ。が、この「鉄剤」を飲むと気分が悪くなる。医師から「胃が重くなって気持ち悪く人もいる」と説明は受けていたが、逆にならない人を知りたいくらい気持ち悪い。妊娠初期のつわりもあって、四六時中気持ちが悪い。仕事も行かないといけないのに。
しかしながら、この「鉄剤」には人を勉強させる絶大なる効果があり(だって服用したくないんだもん)、鉄剤でヘモグロビン値を上げるよりも、食物からの鉄分摂取する知識を増やしてくれた。鉄分の多い食材同士(ヘム鉄・非ヘム鉄)の食べ合わせや、Vitamin C, Dとの組み合わせなど、とにかく工夫した。食品、食材の知識と同時に、「鉄瓶・鉄のフライパン」を使うことにした。実は大学の時から「鉄のフライパン」は持っていたのだが、重いし、取り扱いがいまいち上手くなくて、ずっとテフロンだった。でも、これを機に鉄瓶で麦茶や番茶を沸かし、鉄のフライパンで料理するようになった。今はうちの子供たちも鉄のフライパンでホットケーキも、卵焼きも焼ける。やれば出来る。
すごい。効果てきめん。妊娠初期<後期<母乳時期と鉄分は母体から胎児・乳児に失われていくのだが、あれこれやったおかげで、妊娠中期以降「鉄剤」とお別れできた。
そんなある日だ。健康診断に行った夫が血液を抜かれて倒れた。「血」に弱いのと彼自身が男性なのにヘモグロビン値が低いとのこと。遺伝らしい。となると、必然的に子供もヘモグロビン値が低いと予想される。なので、授乳終了後も、鉄瓶と鉄のフライパンは使い続け、妊娠・授乳期ほどではないが鉄分の多い食材を気に掛ける生活を続けた。
そして第二子を妊娠した。あの胃がズンっと重くなる感覚(粘土が胃の中に詰まっている感じ)を思い出し、少し憂鬱になった。第一子と同じタイミングの妊娠初期で血液検査をしたが、ヘモグロビン値は決して高くはないが、鉄剤を必要とすることなく、セーフだった。私は日ごろ飲む水分の量が多く、夏だと3Lくらいのお茶を飲む。その中にコーヒーも1Lくらい含まれるのだが、鉄瓶のお茶や鉄のフライパンのおかげではないかと思っている。実際、結婚前の健康診断のヘモグロビン値より「鉄調理器具」を使ってからの方が血液検査の結果は良好だ。
独り暮らしの夫も上の子も当然のように「鉄のフライパン」を使っている。上の子の友達には重いからと不評らしいが、健康にはとても良い。
もう20年以上愛用しているフライパンと鉄瓶だ。テフロンを買い替えるよりコスパも良いし、手入れも洗ってしっかり乾かすだけ(我が家は)。貧血で悩む人。スポーツをやる人。お試しあれ。
