Come back 2歳の頃の長女

第一子に妹や弟が生まれた場合、それまで一人っ子で親の愛情を独り占めしてきた長子は親の関心を引くために、大きく3つのタイプになると思う。

  1. 駄々をこねる、赤ちゃん返りをするなど問題行動をして親を困らせる(親から「叱られる」は最もたる愛情表現だもんね)
  2. 親の役に立つようやたら良い子になる(言いつけを守る、お手伝いを良くするなど、褒められて親の愛情を確かめる)
  3. 上記二つの行動を交互に繰り返す

私は第二子で生まれたときから兄弟がいて、上より先に18歳で家を出ていることもあり、一人っ子経験がないのでわからないが、母親が友人の赤ちゃんを抱っこしているだけで、不機嫌になる子もいるくらいだから、親の存在って子供にとって絶対的なのだろう。

我が家の長女は典型的な「2」のタイプだった。もともと自立心が多分強い方で、着替えも、靴下や靴を履くのも、階段を上るのも、なんでも「自分」でやりたがるタイプであった。

明らかに自主的な「お手伝い」をしたのが2歳半の時である。私が妊娠5か月半くらいの時だ。以前「ワンオペ」で書いたが、次女の妊娠初期に腹腔鏡手術を受け、しばらく入院していたことがある。入院して体力が落ちたのと、第一子の妊娠時と違ってつわりがひどかろうが、身体がつらかろうが、長女の生活と仕事が最優先で、好きな時に休めるわけもなく、とにかく毎日疲れ切っていた。その時おなかの調子も悪く、薬も飲めずクタクタだった。その頃の夫は終電もしくは始発帰り、夜勤休日出勤が当たり前の生活をしていたので、金曜日の夜にはリクライニングチェアの上が畳んでいない洗濯物の山となっていたのである。

土曜日の朝、その日はママ友達が第二子妊娠中のトラブルのため入院中で、車で友人のお見舞いに行った後、夜勤明けの夫をピックアップして、大学のOB会(サッカー)に家族3人で行く予定だった。私はお腹の不調と格闘しながら、朝から朝食と昼のピクニック用のお弁当を作っており、くだんの「洗濯物の山」は見て見ぬふりをしていた。

朝食の後片付けと弁当の支度をしている途中、ふとリビングに目をやると洗濯の山が明らかに小さくなっている。次に長女を探して和室を見ると、長女が洗濯物を畳んで、線路のように並べている。「これは〇〇(長女の名前)のズボン」「これは保育園のタオル」「これはママのシャツ」とおしゃべりをしながら一枚ずつ、線路のようにどこまでも順番に並べている。

17年も前のことをこんなに鮮明に覚えているほど、ものすごく感動した。私が疲れていることを知っていて気遣って「お手伝い」をしてくれている。本当に嬉しかった。2歳半の子供が畳んでいるので、「畳んだ」とは言えないのだろうが、私はあえて畳みなおすことはせずに、「〇〇(長女)すごいねぇ~。上手に畳めたね。ありがとう、ママ助かっちゃう。」と言って、崩れないようにして、そっと箪笥にしまった。

「ありがとう、ママ助かっちゃう。」は魔法の言葉だった。本当に良くお手伝いをしてくれた。過去形だけれど。今や実家に帰ってくると「ゲストだから」とわけわからないことを言う20歳になっていやがる。成長とはそういうものだ。いつまでもピュアなわけはない。

あぁ~、可愛かったなぁ

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