いつまでも成長途中

新年おめでとうございます。

ボールを蹴るようになって、今年で丸10年になる。引っ越しでチームがみつかるまで、2回ほどブランク期間はあるのだが、約10年である。

過去の自分がいない競技は楽しい。若い頃の自分がいないのはもどかしいけれども楽しい。かつてバリバリ全盛期で、体力もスピードも技術もマックスだった頃がなく、比べる自分がいないのは良い。30半ばで始めたスポーツでも「上達」しかしない。頑張った分だけきちんと成果が出る。

南の国で始めたサッカーは予想以上に私を魅了した。小学生のように走り込みをし、リフティングをし、体幹トレーニングをした。夫に基礎練習に付き合ってもらったり、アドバイスをもらったり。周りに「何を目指しているの?」と聞かれるくらい、沢山練習をして、とにかく上手くなりたかった。

小学校の頃に外国に住んでいて、その現地校でサッカーと出会いとても楽しく、帰国してから日本でサッカーをしたかったのだが、日本でサッカーは「男子」のスポーツであった。少なくとも私が住んでいた地域では。サッカーが出来なくバスケットボールをやり始め、バスケはバスケでとても面白かったのだが、サッカーは憧れだった。その憧れのスポーツが出来るようになって楽しくて仕方がない。気持ちはサッカー少年だ。

正確に言うと最初に始めたのはフットサルで、その後サッカー少女に出会い、その少女と一緒にボールを蹴りたくてサッカーも始めた。フットサルは5人制でバスケに近く試合の流れが掴みやすくすぐに慣れた。南国でやっていたサッカーは主に7人制のオフサイドのないサッカーがメインだったので、帰国してから始めた11人制の女子サッカーはさらに私を魅了した。オフサイドの駆け引き。ラインの上げ下げ。フォーメーションのバリエーション。ルールもコロコロ変わるし難しいのだが、難しい分だけ楽しい。

そして、何よりも楽しいのが中学生~60代のメンバーで試合をすることだ。自分より20歳も年上の人がバリバリプレーする。上手い。サッカー歴20年30年以上の人が結構いる。自分の息子と一緒に始めた人たちだ。体力やスピードはもちろん若い子には敵わないのだが、正確なトラップと正確なパス。無駄のないディフェンス。とにかく試合の「読み」が素晴らしい。

スピードや技術が敵わないなら、良い歳した大人なので「頭」を使うしかない。とにかく省エネで、最短距離やコース切り、心理戦を総動員すると若い子とも結構やれる。サッカーの面白さはボール保有率がたとえ90%以上あっても、1点で勝敗が決まる。よって少ないチャンスを点に繋ぐことが出来ればいいのだ。どんなに攻められていても、落ち着いて処理して相手に決定打を与えず、言葉で仲間を鼓舞し、相手がしびれを切らすように心理戦を仕掛ける。隙を狙ってワンチャンスをものにする。実に奥深い。面白い。

自分のバスケ部時代の全盛期を知っているので、走力・足の速さ・フェイントなどなど残念に思うこともいっぱいある。小さい頃からボールを蹴っていたら、ボールの飛距離も持ち合わせる技術も全く違うし、もどかしいこともいっぱいある。でもそれ以上にチームで試合を組み立てていく難しさ、カバーしあう楽しさ、年齢や経験を越えて、ただひたすらボールと敵と味方のプレーに集中する時間が好きだ。一人では味わえない、かけがえのない時間と仲間だ。

ネット上でいろんなことが出来る時代だ。在宅ワークになって満員電車で気分が悪くなることも、移動に貴重な時間を使うこともなく、本当に便利になった。そういう便利さと、複数人で集わなければ分かち合えない楽しさが共存でき、適材適所で「Web上の集い」と「実際の集い」の棲み分けができる世の中にして行きたいと強く思う。

試合の運営陣は感染予防として幾重もの対策を講じ、接触を最小限にするようにしてくれている。そういう人たちの労力に感謝し、手洗い・消毒・マスク、基本的なことをまずしっかりと継続して、まだまだ成長途中?のサッカーを仲間と一緒に楽しみたいと思う。

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