
子供たちが1歳半と4歳4ヶ月の時に、結婚してから最初の海外引っ越しをした。夫は次女が10ヶ月の頃から単身赴任をしていて、14か月の時には先にA国に赴任していた。
働きながら、マンションを賃貸に出し、トランクルーム、船便、航空便、飛行機預け荷物、手荷物、廃棄物と種分けし、各種公的手続きや健康診断、予防接種を行うのは本当に大変だった。今振り返っても、保育園友達の2人のKちゃんとYちゃんたち3人がいなかったら、一人ではどうしようもなかった。
当時、子供たちを友人に預かってもらうことも多々あり、お泊まりもさせてもらったので、子供たちもやはり相当疲れていたのだろう。10時間後には飛行機の中、というホテルで次女が39度越えの高熱を出した。
約180kgの預け荷物と約30㎏の機内約持ち込み荷物にベビーカー。4歳児と高熱の1歳児を連れてなんとかA国にたどり着いた。クタクタだった。長女がモリモリ食事をして、比較的元気なことだけが救いだった。
新居に着いて、すぐに使えるように預け荷物と手荷物で持ってきた、調理器具や食器、出汁や乾物、子供たちの着替えなどを出しながら、「お腹空いている?」と“社交辞令”で夫に聞いてみた。夫は言った。
「カレーが食べたいな」
“心の中”で思った。「何を言い出す、この人は。こういうときって、何か作ろうか?って言わないのか???」決して口には出していない。そして次の瞬間「慣れない海外で疲れた顔しているし、ちょっと痩せた。外食も飽きただろうし、美味しいものが食べたいのだろうな。」と “心の中” で考え直した。わずか数秒の逡巡だ。16年前の私はまだまだ可愛かった。
「材料ある?」と聞いたら、肉を解凍すればあると。包丁を取り出し、さっそく料理に取り掛かろうとした。次女は日本のホテルを出てから、バスも飛行機の中も、A国のマンションに着いてからも私から離れようとせず、私はずっとおんぶか抱っこをしていた。私の肩はパンパンである。
夫が次女を抱っこしようとすると、この世の終わりのような泣き方をする。彼女にとって5か月ぶりの父は「知らないおじさん」である。私は次女をおんぶしながらご飯を作った。まだ若かった。何度でも言うが、まだ本当に可愛かった。
数か月してA国での生活にも慣れたころ、私は新たな事実を知った。駐妻たちは口々に言う「小さい子供がいる家庭は“夫が家族を日本まで迎えに行って”海外入りするんだよ」と。この衝撃的な慣例を夫に確かめた。夫はシレっと言った。
「うちの会社もそうだよ」・・・そういう人だよ、あなたは。 いつも。
カレーライスを作る私はまだいるのだろうか。「若さと可愛さ」の行きつく先は「年の功とたくましさ」だろう。大丈夫、いつだってカレーは美味しいし、子供たちはもうおんぶできない。

そうでしたか。お子さんが小さいのに海外移住手続きや赴任をCoccCanさんお一人では大変だったと思います。下のお嬢さんが、もう少し大きくなられるまで(数年)待ってからの方が良かったかも知れません。でも、苦労されて皆さん逞しくなられたと思います。因みに私の場合は赴任時に子供は小・中・高と各1人でしたが「子供たちの学校があるし一人で行って来て」の一言でした(^^;)
いつも温かいコメントありがとうございます。
下の子が10か月から夫は単身赴任で、このままだと夫とは「知らないおじさん」になってしまうと思ったのと、「海外に住めるチャンス」を逃したくないという思いがありました笑
自分が帰国子女だから海外に住むことに抵抗がなかったのかもしれません。逆にwakasahs15thさんのお宅のように「学齢期」の方が難しいと思います。
私も家族は何処にいても一緒に暮らすものと思っていました。CoccoCanさんの場合、次女の方が小さくて父親を「知らないおじさん」にしてしまっては大変との、切羽詰まった状態があったのなら尚更です。海外での生活経験があったので苦難を逞しく乗り切られたのでしょうね。
「学齢期」の問題はありましたが、3人ともそんなに勉強をした訳では無さそうで、その後は平凡なコースでした。それより海外で生活して語学を吸収し多様な考え方を体験したほうが良かったと今でも思っています(^_-)-☆
B国にいたときに出会った友人(男性)が、「自分の父親の海外赴任に家族は行かなかったのがもったいなかったので、家族を連れてきた」というようなことを言っていたのを思い出しました。海外もまた楽しいですよね☆
そうなんですよ!楽しかったです☺時間を気にせずに思い切り仕事が出来ましたが暴飲暴食のため後になって身体が故障しました(^^)/やはり家族同伴が長い目で見ていいですね(^^♪
家族がいるから互いに健康管理が出来るということですよね。
コロナ下で独り暮らししている長女が帰ってくるたびに痩せていて(今は戻っていますが)、口には出しませんでしたが心配しました。
小うるさくても、体重の増減、顔色、口にしてくれる家族は大切ですね。
そうなんです!注意してくれる人がいなくて飲み放題+塩分を摂り過ぎてしまいました。今になって後悔していますが遅いですよね(^^;)
海外単身赴任のご経験からお料理や塩分を今気になさっているので、素晴らしいですよね♪
いえいえ、早く気付いていたら良かったのですが、その時は青春を謳歌気分で走りすぎて今更ですが反省ばかりなんですよ(^^;)
(‘-’*)オハヨ♪ございます。
子供さんを連れての海外赴任大変でしたね。私の職場では子供がいる人は単身赴任が多かった様に思います。赴任先によっても生活環境も大きく違うので、それに対応する事は大変な事ですよ。家主の対応次第で家族がハッピーになるかどうか決まるのは確かだと思います。
海外赴任されてる数多くの方と現地で会う機会が多かったのですが、その度に頭が下がる思いでしたよ。今でも出張だけで済んで良かったと思ってます。
嬉しいコメントありがとうございます。
A国もB国も「海外に住めるチャンス」を逃したくない!!という気持ちでした笑
と言いつつ、いっぱい転校をさせているので、悩むことも多かったのですが、「結果論」となった今では子供たちが楽しそうに当時の話をするので、良かったと思います!!
国内ですら子供2人連れてお出かけは至難の技なのに‥
引越し、しかも海外への引越しを一人でするなんで凄すぎます!
我が家も夫が海外に転勤予定でしたが、コロナで立ち消えに。次のチャンスは巡ってくるのか!?
「そういうものだ」と思っていたから出来たのでしょう。若かったからですw B国へは子供たちが6歳9歳だったのですごく楽でした。段取りもわかっていましたし。
海外転勤、人によると思いますが、私は好奇心旺盛なので、おススメです。チャンスがあると良いですね!!
[…] 「cocco」は正式には?「こっこ」で、1歳半になった次女がある日突然自分のことを「こっこ」と呼び始めたのだ。ちょうどA国に行ったときで、彼女はA国に着いたときは39℃の熱でダウンしていたのだが(詳しくは「若さと可愛げの相関関係」で)、回復して間もなくのことだった、自分のことを「こっこ」と呼び出したのは。理由はわからない。3歳くらいになって本人に聞いてもわからない。まぁわかるわけないよね。 […]