学校が楽しみになる

9月も1週間を過ぎた頃、最後の高校生活なのに次女が「家に早く帰りたいんだよね」と言う。0歳児の保育園から国内外、幾度となく転園転校を繰り返してきているが、「家に早く帰りたい」と言うなど初めてのことだ。長女もそんなことを言ったことはない。そう言えば、夏休みが終わる前も「学校始まるのめんどうくさい」と言っていた。

本来ならば、9月は修学旅行だった。修学旅行はなくなり、その代わりが「通常授業」だ。生徒からしてみたら天国と地獄の差だ。もうあらゆる行事にあまり関わることはなく、ただひたすら大学のためのテストを受けて行くだけの日々で、学校へ行っても「なんの楽しみもない」と言う。1年時の文化祭は台風で2日間が1日となり、2年生はほぼすべての行事がなくなった。部活の合宿も大会も満足に行わずに終わった。

みんな同じ条件なので、本人の気持ちの持ち様であることは十二分にわかっているが、やはり貴重な10代の高校時代がこうやって終わって行くのは親としては心が痛む。一応口では「一般受験する子たちは今頃必死に勉強しているからね」と言ってみる。しかしながら、内部進学を選んで校内テストが厳しいこの学校に入学しているし、この学校の学部選びは熾烈な争いで、隣の席の子、親友、部活の友達が「全員ライバル」と言う特殊な環境である。

買い物へ行ったら、ふと手ごろなお弁当箱を見つけた。2段のセパレートタイプでパッキンもついていて、量は良し。深さはちょっと深いがまぁ何とかなりそうだ。弁当箱はあまり深すぎると、詰めにくい。というか、詰めても見栄えが良くならない。お弁当なんて、開けた瞬間に「わぁ♪」と思ってなんぼである。

弁当箱は腐るほどある。水筒と同じくらい私の趣味で沢山ある。娘に弁当を作るのも残り3か月である。買う必要のないものだということは重々承知している。子供に甘いのかもしれないが、弁当箱一つで学校が楽しみになるなら安いものだ。パッキンがついていて、重ねて収納が出来るタイプなので、今後タッパーとしても使える。値段も高くない。悪くない買い物だ。と一生懸命理由をつけて買った。

下の段にご飯を入れて、上の段におかずを。次女には新しい弁当箱を見せないようにした。数日前に見たMom‘s　おうちカフェさんのささみチーズ弁当がおいしそうだったのを当日の朝思い出し、前日仕事が立て込んで下ごしらえが出来なかった鶏のむね肉を、急遽そのアレンジ版にしてみた。時間のない朝から青じそパウダーとチーズを鶏むね肉で巻くなんて面倒なのだが、新しい弁当箱に初メニューが入っていれば、テンションが上がるはず。

むね肉を平べったくして、青じそパウダーとチェダーチーズを入れてみた。出来栄えはまぁまぁ。焼いたので海苔は巻かなかったのだが、焼いた後に海苔を巻けばよかったのだと次女が登校してから思った。次回の課題である。（Mom‘ｓおうちカフェさんのお弁当はいつも美味しそう❤）

美味しく食べているだろうか。小松菜と厚揚げも次女の好物だ。ご飯が美味しいうちはまだ大丈夫。しっかりと勉強して、卒業して、卒業旅行こそ思う存分楽しめると良いね。

（ひらがなだらけの娘からのメッセージ　黄色の→部分は玉ねぎが7個ほど並んでいる）