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嫌われる 2

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Photo by Dom J on Pexels.com

嫌われる1 からの続き

中学3年2月、姉の日記を見てしまった。私立高校に無事合格し、公立高校受験の前だった。姉の日記にはこう書かれてあった。

「○○ちゃん(私)、XX高校(公立)に合格しませんように。」と。

ショックだった。合格を祈って欲しいとは思わないが、さすがに、不合格を願われるとは。でも、不思議と冷静で、色んなことが腑に落ちた。姉は塾に通ったけれども、私は通わせてもらえなかった。私は姉だけズルイ!と心の中で思っていたが、姉は「塾に行かなくても・・・」という私のことが煩わしかったのだろう。

私は「姉」という、たった1歳半しか違わない先輩がいたことで、色んなことを習得できた。「姉」がいたから、転校ばかりでも平気だったし、C国で親の喧嘩が嫌になったときも、一緒に家出したし、夏休み中に本帰国して、誰も友達がいなくても淋しくなかった。

姉は気付いていたのかどうかわからない。私が親に褒められたことがないことを。学年で1位の成績をとっても、部活で得点王をとっても、何をしても褒められたことがない。

大人になって親に聞いたら、「○○(私)を褒めたら、お姉ちゃんがかわいそうでしょ。」と言われた。その質問をした時、私にはもう子供たちがいたから、親としての感覚としてわかるような、わからないような。納得できるかどうかは別として、親なりの理由があったことだけは分かった。

姉は良い子だった。門限を守り、彼氏を親に紹介し、親の期待するような子供だった。自由奔放で親の考えに反することばかりし、家に寄り付かない問題児の私とは対照的だ。

もちろん私はその日記を見なかったことにした。何事もなかったように公立高校の受験をし、そして、その高校に通った。

姉とは全く別々の対照的な人生を歩んできたが、それなりに仲の良い時期もあったのに、どうしてこんな風になってしまったのか。それどころか、姉のことで親ともこじれ、音信不通になってしまった。私が悪いのか、私の何が悪いのか、何度も自問自答し、どんなに考えても答えは出なかった。

答えの出ないことを考え続けるのは苦しい。

次回へ続く

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4件のコメント

  1. お姉さまとは兎も角、ご両親と音信不通は辛いですね。
    ご両親にとってお孫さんには会いたいと思いますので、お嬢様がこれからのメッセンジャーになってくれれば良いですね(*^_^*)

    1. コメントありがとうございます。
      子供たちは、幼少期のほとんどを海外で過ごしていて、1歳と4歳の記憶はなく、
      本帰国した時は11歳と14歳で、既に年齢的にも生活的にも祖父母と深く関わることは
      ありませんでした。
      定期的に行き来するような仲ではなかったので、敬語で接していました。
      難しいですね。本当に。

  2. そんな事情があったんですね。我が子は平等に対応して欲しいと思いますよ。お姉さんに忖度する何かの理由でもあったんですかね?
    CoccoCanさんには何も悪い事はないと信じてください。色々な事情が重なって現状があるんだと思って良いと思いますよ。後は時の流れで何時の日か雪解けの日が来ると思って、ご自身を責めるよう様な思いをしなくても良いと思います。CoccoCanさんが試行錯誤しながら、子育てをやり立派な家庭を築いておられるその事は素晴らしい事だと思います。

    1. 嬉しいお言葉をありがとうございます。
      >>時の流れで何時の日か雪解けの日が来る
      →そう思うようにします。どんなに懸命に想像しても、人の気持ちは分からないので。

      >>CoccoCanさんが試行錯誤しながら、子育てをやり立派な家庭を築いておられるその事は素晴らしい事だと思います。
      →多分、親にこう言ってもらいたかったのだと、今、気付きました。ありがとうございます。

      >>お姉さんに忖度する何かの理由でもあったんですかね?
      →(私の考えですが)一番の理由は姉と親の価値観が似ていたからだと思います。母を労わり、親に対して従順で、親が思い描いていた子に育ったのが姉だった。

      彼らの価値観を基準に言うならば、私は彼らの「褒める対象」ではないのです。今も昔も。彼らは私に一流大学へ行って欲しいとも、スポーツで輝いて欲しいとも、バリバリ仕事をして欲しいとも、全く思っていません。むしろ「そんな男勝りな」と嫌悪していたと思っています。
      読み書きそろばんが出来、炊事家事ができ、健康で夫の3歩後ろを歩くような「女子」を強要されていました。

      褒めないことで私を否定すると同時に、姉を肯定し称賛していたように感じていました。

      親にそこまでの考えや気持ちがあったのかは分かりませんが、少なくとも子供がそう感じた時点でOUTだと思います。
      でも、めげない子だった笑 自分のやりたいことを沢山実践できて、良かったですし、人生楽しいです!!

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