42時間(前編)

close up of hands holding baby feet
close up of hands holding baby feet
Photo by Rene Asmussen on Pexels.com

昨今の分娩事情は、昔とは変わっているのかもしれない。誰かに聞く機会は全くないし、調べていないので、無痛分娩が進んでいるのかもわからない。20年以上前の昔の話なのだが、子供たちが、どういう風に生まれて来たかを残しておこうと思う。

長女は52㎝ 3500gで生まれた。総合病院で産んだのだが、陣痛が始まって病院へ行くと、分娩待機室?陣痛室?に連れていかれた。他の妊婦さんが先に数人いた。

先にいた妊婦さんたちは順調に次々と分娩室へ行き、新たな妊婦さんたちも続々と入って来る。私ももうすぐだ!と、思い順番待ちしていたのだが、あいにく先着順で子供が産めるわけではない。「お産の進み具合で順番?は決まる」のだ。痛みは増す一方なのに、私の番?はまだ来ない。

結局私は、その「陣痛室」で二晩も過ごし、何人もの人が先に出て行った。

初産で、胎児が大きく、私が小さい。あと一歩のところでお産が進まなかった。陣痛室には定期的に医師が診察に来る。「赤ちゃん元気で頑張っていますから、このまま帝王切開にせずに、自然分娩にしますね。」と明るく言われた。

「頑張るしかない!」と思う一方で、この痛みから解放されたくて「もう何でもいいから、出して欲しい」とドラマのセリフのようなことが頭に浮かぶ。帝王切開が「手術」で、腹膜・筋膜・子宮を切るので、自然分娩より、産後の創傷治癒に時間がかかることを、当時医療メーカーの営業をしていた私は良く知っていた。それでも、陣痛の辛さからとそんなことを考えてしまった。

食欲のない私の食事は、残すのも申し訳ないので、夫に食べてもらった。苦しむ私の脇で、とても心配そうに、不安そうに、むしゃむしゃ、もぐもぐと、キレイに食べた。「帰っていいよ」と言っても、夫は病院の待合室のソファで二晩泊り、私のそばにいた。

この間、「どうして帰らなかったの?」と聞いたら、「○○(私)がいて欲しいと思っていると思ったから」と言っていた。

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9件のコメント

  1. 最近産まれた私の初孫も、こんな可愛い足裏でした。
    男性は何も出来ないのに二晩も頑張ったご主人は素晴らしいです。きっと母子共に元気な姿を見たかった一心からだと想像しました(*^_^*)

    1. この写真は無料サイトのものを拝借したのですが、赤ちゃんの足とか手とか、「パーツ」がものすごく可愛くて愛おしいですよね。

      お孫さんもまた大きくなられたことと思います。あっという間に成長してしまうからこそ、あの「小さい時」は貴重ですね。

      >>きっと母子共に元気な姿を見たかった一心からだと想像しました(*^_^*)
      →あぁーーー、そう言うことですね。やっとしっくりきました。ありがとうございます!! 本当に口下手で、、、wakasahs15thさんの解説に感謝です☆

  2. こんにちは(^^)
    医療の進歩とともに分娩の事情も変化してるようですね。双子の孫は低出生体重児だったので、自然分娩だと母親の体力が持たないと言う事で帝王切開で生まれました。それでも元気に成長できた事には感謝してます。
    ご主人の気持ちわかります。二日間も陣痛続きでは心配で傍にいたくなりますよ。などと言ってますがkeroさんのお産の時には病院で「ご主人は帰られて良いですよ」と言われ「そうですか」と言って自宅に帰りました(笑)

    1. 双子のお孫さんもいらっしゃるのですね。多胎児はリスクが何倍にもなるので、想像を絶します。
      私の友人は双子を自然分娩で産んで、かなり大きくなるまでお腹に入れて出産したら、お腹の重みで背骨に影響があり身長が5㎝ほど低くなりました。
      本当に「命がけ」です。

      >>「ご主人は帰られて良いですよ」と言われ「そうですか」と言って自宅に帰りました(笑)
      →笑っちゃいました。
      でも、、、うちの母が恐らくsaganhamaさんの2-3個上くらいなのですが、あの世代のお産で、父親が病院に駆けつけるなんて素敵なご主人様だと思います♪

  3. こんにちは^^
    二日間も陣痛で苦しまれてのご出産は大変で…ご主人も優しいですね
    お産は女性にとって命がけの大事業です
    pikaoは産科に連れて行きましたが 仕事でその場を離れましたね
    出産後の母子ともに健康ですの言葉にホッとした記憶が蘇りました(*^0^*)~♪

    1. 20数年前くらいから「立ち合い出産」などという言葉も出てきましたが、「夫が妻を産科に連れて行く」のも稀な時代もあったので、そう思うと、社会の風潮・風習・制度、かなり変わりましたね。

      実際生まれてくるまで、「母子ともに健康です」は分からないので、この言葉の重みを感じます!!

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