
もてない!(前編) もてない!(中編) もてない!(後編) から
絶景ポイントを目指して歩いている途中、足場の悪いところに出くわした。そこは通常の道より70-80㎝くらい低くなっていた。夫が先に降りた。
先に行った夫は私が降りるのを振り返りもせずにスタスタと進んだ。予想通り過ぎて笑えた。そういうところだよ。もてないのは!!!
確かにそんなところで転んだりしないし、転んでもケガをするような岩があるわけではない。でもそこで振り返って「大丈夫?」とやるのがもてる男だ。セオリーである。もてなくてもいいから、そのくらいの気遣いはした方が良い。いや、せめて振り返りなさい。
私は思った。どうしてこの人と結婚したのだろう???
答えは分かっている。別に多分もてないわけでも、気が利かないわけでもない。(かといって、決してとても気が利くタイプではない)「私だから」なのだ。他の人にだったらきちんと手を貸すだろう。
荷物が重ければ持ってくれるし、本当に私が疲れていたら足を止めてくれる。きちんと私より先に降りて、私なら難なく降りられると確信しているから振り返らないだけだし、もちろん手も貸さない。「必要がないから」実にシンプルである。
「パートナーだからね」と不器用な夫を微笑ましく思った真夏の散歩。きっとこれから何百回、何千回、何万回と「どうしてこの人と結婚したのだろう」と思いながら珍道中をやって行くのだろう。その度に良いお湯に浸かって、美味しいものを食べて、「楽しかったね」と珍道中を酒のつまみにしていく。これもきっと楽しい歳の取り方だ。
