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犬のススメ~後編~

closeup photography of adult short coated tan and white dog sleeping on gray textile at daytime
Photo by Christian Domingues on Pexels.com

前回の「犬のススメ~前編~」より

結論から言うと、夫も私も犬というかペットを飼うことは考えていない。夫の理由も私とほぼ同じようで、一番大きい理由は「もう何も育てたくない」である。今住んでいるこの場所を終の棲家だと考えていないからというのも理由ではあるが、せっかくあと半年で次女も家を出て行く(予定)で、自由になれるのに(十二分に自由にやっているが)という気持ちが一番強い。

夫が単身赴任から戻ってきて一緒に暮らし始めたら多少考えが変わるかもしれないが、犬や猫を育てる前に、どちらかと言えば、青じそやパセリがきちんと育てられるようになりたい。植物も満足に育てられないのに、動物を育てるなんて。

もう一つの大きな理由は、自分よりペットが先立つことを考えると怖いからだ。

友人Mは「犬は子供と違って、反抗的ではないし、いつでも私を待っていてくれて、常に私を頼ってくれる。ちょっと“独りにして!!”と思う時もあるけれども、絶対的に懐いてくれるので、本当に可愛い」と、言っていた。

彼女の子供たちがそれぞれ独り暮らしを始めて後半年ほどで、彼女の犬は病気で先立ってしまった。その彼女を見ていて「ペットは家族」と言うことが痛いほどわかった。いつも自分を待っていてくれた存在を喪失した現実を受け入れるまでに時間がかかった。私はただ彼女の話を聞くことしか出来なかった。そして、何かを失うことがとても怖くなった。

この犬のススメの話を友人Yにしたら、「私も犬はいらない」と即答。「せっかくやっと身軽で自由になれるのに」と私と同じことを言う。「私たちって母性が少ないのかな?」と二人でケラケラと笑った。そう、Yと私は「私は私」「子供は子供」「夫は夫」という考え方をしている。そこが彼女との最大なる共通点だ。

Yとの犬の話は「いらないね」の一言で終わり、「検討」段階に入ることもなく、Yの第二子の受験が終わったらどこに旅行しようかと、「新たな自由」に向けての話となり、「犬との第二の人生」と言う選択肢はテーブルに上がらなかった。

しかしながら、もし自分が今ペットを飼っていたら、勧めてくれた友人たちの様に全力で「おススメ」すると思う。きっと私が知らない、ペットの魅力がいっぱいあるに違いないし、想像以上に心のバランスを保ってくれる存在になるのであろう。

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