メイクは滅多にしない。しないというより下手だ。「昔取った杵柄」というエッセイにも書いたが、眉と目元を少し整えるくらいで過ごしている。
そんな母とは対照的に次女は高校生のくせして、メイクとヘアに1時間くらい時間をかける。さすがに学校に行くときにはそんなに時間はかけないが、遊びに行くときやバイトの時は支度に時間がかかる。次女の言葉で言うと「いつでも渋谷へ行ける」レベルに仕上げているらしい。
次女は予てから私にメイクをしたがっていた。人にメイクをしてもらった経験は成人式の時の一回。別に嫌なわけではないのだが、タイミングが合わずにいた。夏休みに入り、部活も引退し、時間が出来た次女が私にメイクをして一緒に買い物へ行くことになった。
次女は引退直前の夏休み練習と大会で日光をたっぷりと吸収していた。同じ日焼け止めを使っているのに、次女に効果はない。不良品だと彼女は言う。
娘は先に自分のメイクをしてから私にメイクを始めた。彼女の目の前に座ると、娘は眉毛を整えながら100回くらい「しろっ」を連発する。さっきまで自分の顔を見ていたから、やたら白く感じるらしい。まぁ、「白い」と言われて悪い気はしない。
眉毛が終わって、アイシャドウとアイラインを引き始めると今度は「しわっ」を1000回くらい連発する。要はしわにひっかかって、パウダーはまばらになり、ラインを真っ直ぐ引けないのだ。「ひっぱって伸ばすんだよ!!」本当に失礼な奴だ。
次は目の下にパウダー?を乗せ始めたのだが、今度は「しみっ」をやはり1000回ほど連発する。相手が母親だからと言って何でも言って良いわけではない。つくづく失礼な奴だ。誰の子だ。
自分の支度に毎回1時間もかけているだけあって、仕上がりは私が自分でやるより100倍上手だった。ナチュラルで今どきの良い感じに仕上がった。 肌の「白さ」も「しわ」も「しみ」も自分にはないものだから、メイクしづらかったらしい。そりゃそうだろうが、高校生の肌と比べるな。一生分の「しわ」と「しみ」を言われ、しわもしみもなんだか増えた気がするのは気のせいか。
それにしても、着替えてから写真を撮れば良かった。二人とも思いっきり部屋着だ。
