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オマケの話 ~箱根湯本の足湯~

夫と二人でまったりと足湯に浸かり、このご時世にこの数の客室を維持しながら、隅々まで手入れをしているホテルにうっとりとした。是非とも泊まってみたい。宿泊費はいかほどか、その場で夫が文明の利器で調べてみた。

夫が露天風呂付き客室1泊の料金を口にし、すかさず「今回のワーケーションなら1週間泊まれる」と言う。利用目的が違うので、どちらが良い悪いではなく、このホテルに泊まるならばもちろん仕事などしない。完全なバケーションだね、と話した。庭を見ているだけで、館内は見なくてもどれほどしっかりと整えられているか容易に想像できる。

すると夫が「長女が就職したら、お祝いに二人でここに来よう」と言った。来年は子供たち二人が大学生となり、次女も独り暮らしをさせるので、人生の中で一番支出の多い年度となる。(学費・生活費以外にも、入学金・敷金・礼金・引っ越し費用)上の子が2歳の頃から予算を組んで、二人をそれぞれ独り暮らしさせるので、家計が困るわけではないのだが、給料の大部分が子供たちに消えていくようなものなのが、少し悲しい?淋しい?のだ。

夫も私も自宅から通える距離だったが、大学の頃、親に独り暮らしをさせてもらっていた。夫は知らないが、少なくとも私は、ただでさえ学費の高い大学に通わせてもらい、不自由なく独り暮らしさせてもらっていたことに当時も感謝していた。でも、、、自分が親になって働いてお金を稼いで、あの頃よりももっと親に感謝するようになった。子供たちに感謝して欲しいということではなく、純粋に自分の親への感謝だ。夫もその気持ちは同じらしい。

そして夫が続ける。「○○(長女)が就職して、1年分の学費と生活費がなくなったら、4か月ここに泊まれるんだぞ」と。私は間髪入れず笑いながら言った。「そんなに泊まりたくない」と。夫の言わんとすることは分かるが、ありがたみがなくなる。まぁ学費・生活費1年分で豪華な海外旅行を5-6回行けちゃうよね。確かに。

晩秋の晴天にきれいな滝を見ながらする話ではないのかもしれないが、子供が就職するのは親としての一つの区切りであることは間違いない。「もうお金がかからない」と言うのと同時に「もうお金をかけてあげることもない」なのである。

次女が就職する時、夫はまだ40代だ。このワーケーション中、何度となく互いの将来の夢を話した。普段から良くそういう話はするのだが、環境が良いとプラス思考になるので、夢が膨らみ、話が弾んだ。

ずっと住んでしまうと、この環境にまた慣れてしまうから、色んな土地でワーケーションをするのが私たちにはちょうどいいね、と話して相模湾を後にした。何でもどこでも楽しめるのが私たち、次はどこに行こうかワクワクする。

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