大学受験~肯定~

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大学受験~肯定~

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2月の終わり、この時期になると自分の大学受験を思い出す。2月下旬に第一志望のテストがあって、その1週間後くらいが発表だった。合格が分かったときのあの解放感。滑り止めは合格していたが、第一志望がダメだったら、親に頭を下げて浪人して、国立を受験しようとこの頃は思っていた。

大学受験をするかどうか、高校3年の夏前まで迷っていた。早く家を出たくて、早く自立自活したくて、受験するより就職した方が良いか、手に職をつけるために専門学校は、、、などと考えていた。学校の進学率はほぼ100%。就職も専門学校へ行く生徒もいない。

夏前に受験することを決めた理由はいくつかあるが、理由は大きく二つ。1つ目は自分に合った面白そうな学部を見つけたこと。2つ目はその大学の学部は家から遠く、独り暮らしが出来そうだから。(浪人したらこのどちらも叶わなくなるのだが)

両親の考え方は「女の子なので学はいらない。女の子だから、読み書きそろばんと家事、裁縫、料理が出来ればよい。」だった。そんな考え方の両親からよくこんな子(私)が育ったものだと、心底不思議なのだが、私はその考え方が大嫌いだった。

私には一つ上に姉がいて、連続して受験となる。私たち姉妹に「学」はいらないのだが、花嫁修業的な学校へは行って欲しいらしく、勉強が苦手な姉には塾や予備校へせっせと通わせた。姉にかかる費用がわかっているので、翌年私は塾や予備校へ行きたいとは言えなかった。(高校も本当は公立ではなく、私立に行きたかったのだが(カリキュラムが面白そうで)、先に私立へ姉が行っているので言えなかった。)さらに、出来るだけ親の世話になりたくなかったから、予備校にも行かなかった。既に予備校に行かなくて受験する子なんていない時代だったけれども、親にとってそういう場所は「苦手な子が行くところ」に過ぎなかった。

私が男の子だったら、両親は喜んで塾にも予備校にも通わせて、より偏差値の高い学校を目標とさせていただろう。試験前に子供が勉強をしていると叱って、家の手伝いをしなさいなんて言わなかっただろう。

結果、私は両親が「私が男の子だったら」大喜びしたであろう大学に合格したが、全く喜ばなかった。思うところは色々とあるのだが、無事に合格と独り暮らしを勝ち取り、高い学費と独り暮らし費用をねん出してくれた親にとても感謝している。家事、裁縫、料理など、生きていく上で重要なことを根気よく教えてくれたことも。

夫を見ているとこれまた心底思う。「生活能力」も「知識(学)」も、性別なんて関係ないんだよ!と、義両親に感謝する。

そして、私は18歳の私に毎年声を掛ける。きっと親に認められたかったんだね、と。何年経っても、いつまでも子供の自分がいる。

大丈夫だよ。あなたはきちんとやれているから。

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10件のコメント

  1. そういう親、私も知ってます😄全く同じこと言われた口なので、笑ってしまいました。でもCoccoCanさんの方がずっと若い世代だと思うし、海外生活もされてたんですよね。そんなご両親でもそんなこと言うんだ、とちょっとびっくりもしました。

    1. おぉーー、nikonikomaisonさんはその状況で国際結婚!! 素晴らしい♪

      致し方がない部分もあるのでしょうが、かなり保守的です。
      私世代(第二次ベビーブーム)でも、「女の子だから」という人はまだまだかなりいます。ほとんど働いたことのない専業主婦の人も、働いていても事務職のみの人も。
      いろんな考え方があっていいのですが、「女の子だから」「男の子だから」ではなく、個人の適性で色々と判断したいですし、先ずはいくつになっても広い視野を持ちたいと思います!!

  2. お嬢さんの受験と当時のご自分の受験が重なって・・・・。
    学ぶべきところは学び、見直すべきところは良い方へ直してですね(*^_^*)

    1. 色んな選択肢を自分で選んで挑戦していけると良いですよね。多様性が認められないと苦しくなります。性別関係なく。

      きっと逆に「男の子だから」と言われて窮屈だった男性もいると思います。

      世の中少しずつ変わってきていますよね☆

  3. こんにちは(^^)
    女だから、男だから・・・性別で判断する時代は未だに残ってますね。特に日本の企業はそこから抜け出せてないのが多いと感じてます。私は女性と仕事するのは嫌じゃないし、分からぬ事はしっかりと女性が持ってる知識を教えてもらってました。性別に関係なく出来る人は出来るで良いと思ってます。

    私事ですが・・・
    私が中学を卒業した時代にも就職する者は僅かになってました(大学まで進学する者はまだ多くはなかったと思います)。
    上京する時に乗った列車が最後の集団就職列車だったと記憶してます。私の場合就職と言っても企業が設置してる企業内訓練所で2年間仕事の為の実技と高校レベルの普通学科を学んだので、就職と言うよりは専門学校に進学したと言う感じでした。学びの費用は企業が出してくれて社員よりは少ないけど小遣いになるレベルの手当がでました。学んで給料を頂けたので親の負担はほぼなかったです。家の経済状況が苦しかったのでこの道を選択したんですけどね。今の時代にこの様な企業は存在してないんじゃないかな?余談でした。
    孫の高校受験、無事公立合格しました(^▽^)/

    1. お孫さん、おめでとうございます!! 開放感ですねぇ♪ 
      以前「寿司ランチ」であの素敵なお部屋にいたお孫さんでしょうか?

      「企業内訓練所」素敵なお話ですね。コロナの令和の今の時代にこそ復活して欲しい制度だと思います。
      平成の30年で、少子化が進んでいるのに、大学が300校も増えて、大学とも言えない大学も存在します。そういうところに進学するよりも、しっかりと技術と知識を身につけて、お給料ももらえる制度は本当に素晴らしい!!
      そして、学校制度に関して言えば、学費が工面できるようになったら受験できる仕組みが必要だと思います。そのような受験者には今の詰め込み式の受験はそぐわないですね。

      1. 寿司ランチの時にいた孫ですよ(^O^) 最初は製造部門に配属されて後にエンジニア部門へ配置転換、周りは大卒ばかりの職場ですからついていくのに必死でしたよ(笑)英会話もろくに出来ないのに海外で仕事する機会が増えましたから苦労の連続と言う感じでしたが振り返ってみると嫌と言う気持ちにはなってなかったと思います。高学歴でなくても私の様な事が出来た事には感謝あるのみです。大学まで進学するのが当たり前になり、企業内訓練所は消滅していきました。日本の名だたる大企業の多くに存在してたんですけどね。
        余談ですが、海外でその地の食べ物を食べれる事を楽しみにしてました(@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪

      2. 海外で知らない風景・習慣・食べ物に出会うのはワクワクしますよね。
        しかも、好き嫌いない人間にとって食べ物は1日3回もあるので本当に幸せです笑

  4. そういうタイプの親御さん、よくいましたね。
    CoccoCanさんは私の世代よりかなり若いだろうと思うのですが、その世代でもまだまだそういう考え方の親御さんがいたというのは、少し驚きつつも、感覚的にはよく分かります。
    やはり日本全体(特に地方の大人)の意識が変わらない限り、無くなることは無いのだろうなぁとも思います。

    私の2つ上の従兄弟の女の子は、女だからという理由で叔母(父の妹)から家事全般をさせられ、男兄弟には何もさせず、結果的にグレてしまったなんてこともありました。父方は九州なので男尊女卑の傾向が地域的に強かった(らしい)というのもあっただろうと思います。

    親の考え方は良かれ悪しかれ子供に多大な影響を及ぼすものですね。自分が大人になったことで見えてきたことも多々ありますし、大人になってからも変わらない、そんな気持ちも多々あります。

    親を見習うのか反面教師にするのかは、その後の自分の生き方次第かと思いますが、何事もプラスのパワーに変えて行ったというCoccoCanさんの行動は、とても良いことだったんだろうと思います。

    1. 温かいお言葉ありがとうございます!!
      nikonikomaisonさんにもコメントバックしましたが、うちの親のような「おしん的差別」まではいかないけれども、私世代でも「女の子だから(このくらいの学歴で、会社で)いずれ養ってもらえば」という考え方の人は未だに多いかもしれません。

      KYOさんのおっしゃる通り親の教育だったり、会社の風潮だったり、社会の精度だったり、、、

      うちの母親もまさにKYOさんの叔母様と同じで、2個上の跡取り長男は何もせず、母や祖母と離れで暮らして、食事も「残り物」だったらしいです。光熱費がかかるからと好きな本も満足に読ませてもらえなくて、、、と。

      そんな風に育ったなら、娘たちには、、、と思うのですが、性格の違いなのでしょう。

      兄弟にも子供にも男の子はいませんが、何でもかんでも背負わされる男子というものも不憫でなりません。性別ではなく性格や能力による適材適所が進んで行って欲しいです!!

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