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金沢探索:出会い

金沢探索:出会い

金沢ワーケーション中、西茶屋街方面を散策していたときのこと、去年お買い得な加賀麩を買った小さい商店を探していたのだが見つからなかった。明らかに、去年は行かなかった場所まで歩いたので引き返そうと思ったら、大通りの反対側のお店にトップ画の文字が貼ってあった。

お店は薄暗くて、何屋さんなのかよくわからない。でも「糀」と書いているのだから、「日本酒・醤油・味噌」、どれかの専門店だろうと、道を引き返さずに道路を渡った。半紙に筆で書かれた「糀」の文字が美しい。

「こんにちは」と扉を開けると、しばらくして女将さんらしき人がやって来た。醤油と味噌の専門店で、味噌作りの教室も開いているそうだ。お店の名は「中初商店」で明治29年(1896年)創業

道路の反対側から正面の写真を撮り忘れたのだが、ホームページを読むと、建物自体は、200年ほど前の金澤町家らしく、趣のある建物だ。

このお店の商品は、素材の品質と無添加にこだわって、古来の製法で醤油と味噌を製造。原材料はもちろん国産。糀は石川県産のお米で、大豆は甘みの強い富山県産を使っていると説明してくださった。

醤油は瓶なので重たい。ならばお味噌をと思ったのだが、このお店を見つけた時点で、既に近江町市場で買った加賀味噌と、湯涌温泉で買った手作り味噌との2種類があった。これ以上増やすのは難しい。

そこで目に着いたのが、醤油と味噌を作るのに欠かせない、自家製生糀を買って帰ることにした。生糀を販売する時期は限られているので、店頭に並ぶ期間だけ、私の目に留まった、トップ画の「糀」と書かれた半紙を店先に貼るそうだ。

私は「通りの反対側を歩いていて見つけた「糀」の文字に惹かれて、道路を渡って来てみました」と伝えたら、亡くなられた先代(案内してくれた女将さんのお父さん)が生前書いたものだと教えてくれた。店内には至る所に、半紙に書かれた達筆な字があり、それら全て先代がしたためたものだとのことだった。

この糀を見つけた後、気を付けて街を歩いていると、醤油・味噌・酒を売っているお店の入り口には「生糀あります」という貼り紙がされている。2月頃までは、販売するお店が多いのだろう。

残りの滞在中、大通りの反対側からでも目を引くあの「糀」ほど魅力的な貼り紙とは出会わなかった。私はこのお店を見つけたことを誇らしく感じた。

追記:塩麹を作ったときに、KYOさんからのコメントで「今の時期なら生糀が良い」とアドバイスをいただいたのが、この出会いの大きなきっかけだった。KYOさんいつもありがとうございます。

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